強い米国雇用統計
週明け10日は、前週末に発表された強い米国雇用統計を受けてドル円は97円台後半、ユーロ円は138円台半ばの高値圏から取引が始まった。
久しぶりの高値圏ということもあり、本邦輸出企業や短期筋の利食い売りが持ち込まれ、景気底打ちの兆しが見えてきたものの、市場はまだ懐疑的な見方が大勢で、夏休み相場の薄いマーケットの中、持ち高調整の動きが主体となってマーケットをリードした。
週半ばでは米金融サービスCITの決算発表が延期となり、破綻懸念が広がったため株価が下落、リスク回避の姿勢が改めて強まると、ドル円、クロス円共に売り方優勢の展開となった。
注目されたFOMCでは長期国債の買い入れが10月末で終了する可能性が示唆されると、ドル円は95円台前半から切り返し、96円台後半まで反発する荒い値動きを見せた。
一方でFOMCでは経済活動が踊り場に差し掛かっている、として慎重な姿勢は崩しておらず、方向感が定まらない不安定な状況での取引が続いた。
週後半では米国債償還の利払いに絡むドル売りや米国債入札の好結果によって利回りが低下し、ドル円は改めて95円台半ばまで反落、週末の14日には米国株の下落やリスク回避の円買いが続き、中国の金融引締め観測も相まって、テクニカル上重要なサポートラインだった94.80-95.00付近を割り込むとストップロスを巻き込みながら94円台まで反落して取引を終えた。
展望
週明けの17日は日本の4-6月期GDPが発表される。
金融の信用不安という意味では日本は比較的影響が少なかったため、リスク回避の動きは円に集中する形で推移していたが、一方でマイナス成長幅が大きく、マーケットは本格的な「日本買い」に躊躇することがあった。
事前予想通り、GDPの改善が為された場合、英国を含む欧州圏や米国に対して、いち早く出口戦略に向けた行動を催促する動きを見せる可能性も考えられる。
18日には英国7月の消費者物価指数が予定されており、70ドルを超えてきている原油高を背景に、予想を上回った場合は量的緩和打ち止めと年内引き締めへと極端に変化する可能性もあるだろう。
19日に英中銀議事録が公表されるが、当局の姿勢がまだ緩和寄りか、それとも打ち止めを検討しているかによって市場の反応は別れてくる。
20日は米フィラデルフィア連銀景況指数と小売関連大手企業の決算発表により、消費低迷からの脱却なるか、注目される。
対円のマーケットでは、円安を見込んだ投機ポジションの積み上がりから大幅な調整を強いられており、8月後半から9月にかけて集中している新規投信設定がこの調整による円高を止める要因となるか注目される。
今週はやや円高を予想する声が強いが、下値では実需の買いも控えていることもあり、一方的な思い込みでポジションを放置していると痛い目に遭うこともあるだろう。
【ドル/円 P&F】
